ミネルヴァの梟

「ミネルヴァの梟は夕暮れに飛び立つ」とは、哲学者カントの有名な言葉。

一般的には、「事象がほぼその展開を終えた後に、学者がこれを理性的に把握して概念に高める」ことを暗喩したとされているようですが、
この言葉には他にも、「晩年になって、知性や技芸が花開く」という解釈があるようです。

ミネルバ ピタゴラス




ミネルバ 20CH(RGモデル)




ミネルバ 20CH(ステンレスモデル)




ミネルバ パラディオ


ここに紹介したのは、ヴィンテージとモダンと言う違いはあれ、すべてミネルバの時計たちです。

20CHの2つの時計は、ほとんど同時期に日本とドイツのネットショップで購入したものです。
最初にステンレスモデルをドイツで購入し、到着を楽しみにしていたら、RGモデルが日本のサイトにアップ!
はっと気付いたら、既に購入のボタンを押していました。2つの時計が手元に届くまでは、随分後悔もしましたが、
でも届いてからは、その2つの時計の相似と相違に飽きることがありません。

ダイヤルはミネルバ調とでも言うのか、外周の数字の所を同心円状に浅く掘りこみ、タッチを変えているところはまったく同じであり、
ちょっと見にはプリントに見える数字もすべてアプライドで、別部品を張り込んで、見た目よりずっと手の込んだ造りをしているのも同様です。

ケースの素材を除いた大きな違いは2つ。RGの方は一般的なサイズですが、ステンレスの方は、直径32ミリの極小サイズで、
しかもばね棒が嵌め殺しでした。ムーブメントは、同じ20CHですが、仕上げが違うだけではなく、明らかにパーツが違っています。
少なくとも、スタンダードと、高級仕上げの2種類の20CHが存在したのかもしれません。
RGバージョンにつきましては、「ミネルヴァの誘惑」のテーマで、別途ページを設けました。(画像をクリックして頂いてもご覧頂けます)

ピタゴラスは、2000年に購入しました。ブレスレッドモデルを購入したため、後で尾錠を入手しようと時計店にオーダーしましたが、
待てど暮らせど音沙汰無し。いったいどうなっているんだ!と思っていたら、例の買収騒ぎ。多分もう入手出来ないでしょう。

最近、再びミネルバの時計を手に入れる機会がありました。パラディオです。ムーブメントはおなじみのヴァルジュー7750.。
ミネルバの技術者たちは、それに、短針が単独で動かせる改造を施し、クロノメーターの規格も通して、
発売当時19万円の価格が付いていたようです。フレイ親子の良心を感じずにはいられません。
すべて、「ミネルヴァの梟」と言ったら、皮肉に過ぎるでしょうか?
」と」


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