その「マルタ十字軍」のシンボルを、商標にした、時計ファンでなければ知らないであろうこのブランド。
この「ヴァシュロン・コンスタンタン」という長い名を持つブランドが、世界最古の時計メーカーであることを知る方は
もっと少ないのかも知れません。１７５５年に、 ジャン=マルク・ヴァシュロンによって創業され、継続的に時計を製造してきた
メーカーとしては世界最古であることや、パティックフィリップやオーディマピゲと共に、世界三大高級時計メーカーの
一つとして数えられているという事などが、今はインターネットですぐ知ることができます。便利な時代になったものです
その世界最古の時計メーカーであることの証が、時計の筐体に表現された、「マルタ十字」のシンボルです。
時計のベゼルや竜頭、そして裏蓋やブレスレッドの止め具などにそのシンボルが見られますし、当然ダイヤル面には
「マルタ十字」そのものが、ブランド名とともに標記されています。十字軍のシンボルを商標にするなど、
新興のメーカーが出来ることではありません。２５０年以上もの伝統の力、その重さを感じるところです。
時計自体も、重厚なイメージを感じさせるクロノグラフに仕上がっています。特にブレスレッドは、寸分の遊びも無く、
表面の仕上げも、梨地の部分と鏡面状に磨き上げられた部分が寸分の遊びも無く組み合わされ、見事な仕上がりに
なっています。（その代わり、この時計に限っては、皮のベルトに交換して楽しむことは出来ませんけどね。）
言うまでもありませんが、ビッグデイト表示のカレンダーは非常に見やすく、実用性充分です。
持つ者にその品格を求めてくる、そんな側面さえ感じられるこの時計を私が我が身に付けるのはちょっと早かったの
かも知れませんね。（誰ですか、ずーっと似合わなかったりして、なんて言っているのは！）
